会社の先輩から、ノートパソコン(NEC Lavie L LL370/FD)が起動しないのでなんとかしてほしいという相談を受けました。
状況を伺うと、電源ボタンを押したあと、Windows XP起動時のロゴ画面までは順調に進むものの、そこで画面が切り替わり、セーフモードか前回正常起動時の状態で起動するか・・・という選択画面になってしまい、どれを選択しても次に進まずに再起動してしまうとのこと。
パソコンから変な音はしないらしいし、Windowsのロゴ画面までとりあえず進んでいることから、ハードディスクが物理的に壊れてしまったというわけではなさそうです。これならディスク内のデータを復旧できる可能性は高そう。
直前の状況を伺うと、省エネモードからうまく復旧しなかったので、電源ボタンを長押しして強制電源断を行った程度でした。運悪くWindowsの一部のファイルが壊れる等して、起動しなくなってしまったのでしょう。
しかし、サポートセンターに電話しても、ハードディスクが壊れている可能性が高いので、交換を勧められてしまったようです。まぁ、確かにそれが一番簡単かつ確実ですけどねぇ。
ネットで色々と調べたところ、NECのLavieシリーズには「バックアップレスキュー」という、Windowsが起動しなくてもCドライブのデータをDドライブにバックアップできるソフトが「NEC Recovery System」というハードディスクの隠し領域にある様子。
とりあえずこれを利用してバックアップを取っていただき、Windowsが入っていたCドライブにもう一度Windowsを上書きインストールするようお願いしてみました。
しかし、「Cドライブが見つかりません」というアラートが出て終了してしまったという残念な返事が届きました。予想以上にデータの壊れ状況がひどいのかもしれません。
なんとかデータ復旧を試みてほしいとの要望を受け、次の方法を提案しました。
1.ハードディスクを新しいものに交換。(メーカー保証対象外)
2.Windows XPを入れてパソコンを復活させる。
3.もともと入っていたハードディスクを、外付けケースを購入して復活させたPCに接続し、データ復旧ソフト等を利用してデータを抽出。
これは、前にハードディスクの交換を行った富士通のデスクトップ機と同じ方法です。
ただ、前と違うのは、リカバリディスクがないこと・・・。
そして、NECのサポートページでも、無線LANのドライバ以外、ドライバの提供がないこと。
このパソコンは、リカバリディスクを添付するかわりに、ハードディスクの隠し領域である「NEC Recovery System」に、Windowsを含めた購入時の状況を復元するためのデータを入れているようなのです。マニュアルによれば、いざというときはそれを使って再セットアップ可能とのこと。
しかし、今回はハードディスクの保存データを消したくないので、この方法は使えません。
ちなみに、再セットアップ用データをDVD-R数枚などにコピーし、DVDから起動して再セットアップする方法もマニュアルに紹介されていました。この方法を応用して、新しいハードディスクにDVDからセットアップさせることも考えましたが、DVDへのデータコピーはWindows上の専用ソフトからじゃないと行えない様子。Windowsが起動していない現在、この方法を選択することはできません。
そうすると、新しいハードディスクを買っても、Windows XPなどのOSを別途用意しないといけません。また、うまくWindowsをインストールできても、そのあと各種ドライバがWindowsの標準ドライバに適合せず、一部の機能が動かなくなる可能性があります。
・・・NECさん、せめてドライバだけでもインターネットからダウンロードできるようにしていただけないでしょうか・・・。Windowsが正常に動作していたとしても、万が一ドライバが壊れたり、誤って消しちゃったりしたときにはWindows丸ごと再セットアップしなきゃならないってことですよね・・・。
さて、結局先輩は私の悪魔のささやきならぬ提案を受け入れ、メーカー修理ではなく、ハードディスク購入、外付けディスクケース購入、そしてOS(Windows XP)購入という道を選ばれました。
ついでに、メモリが今は256MBしかないので、動作が遅いときがあるとのことから、メモリ増設を提案。512MBの増設も行うことになりました。
NEC Lavie L LL370/FDの スペックを確認すると、ハードディスクは2.5インチのUltra ATA100方式(接続端子がたくさんあるIDEタイプ)。メモリは、PC2700対応のDDR SDRAMでした。
そこで、写真の機器を一揃え。
BUFALLO ノートPC用増設メモリ PC2700 (DDR333) 512MB DN333-A512M/E
ハードディスクは160GB。もともと80GBなので一気に2倍の容量になります。
我が家の長寿ノートパソコン、DELL Inspiron 630mもIDEタイプのハードディスクなので、万が一のことがあれば引き取って流用できそうです。笑
早速作業開始。
このノートパソコンのハードディスクは本体中央部くらいにある専用スロットに入っており、本体下部の長細い化粧パネルのねじを外すだけであっけなく取り出すことができました。
新しいハードディスクを代わりに挿入。もともとあったディスクには、手で引っ張り出すためのビラビラ?が付いていたので簡単に取り出せましたが、新しいディスクにはもちろんそんなものは付いてないので、やり直しはできなそう・・・。
Windows XPのセットアップは内蔵DVDドライブから起動することで順調に行われ、問題なく30分程度で完了。
しかし、予想していた通り、デバイスマネージャーを確認したところ6つほどドライバに「?」マークが付いており、機能していない状態でした。汗
<「?」のドライバ>
○PCIモデム
○イーサネットコントローラ
○ビデオコントローラ(VGA互換)
○マルチメディアオーディオコントローラ
○USBコントローラー
○無線LANのネットワークアダプター。
ご自宅はインターネットと常時接続しているので、ドライバがなければインターネットで探せばいいや・・・それがだめなら別のパソコンでダウンロードしたドライバをUSBメモリ経由で渡せばいいやと思っていたのですが・・・両方ともダメですねぇ・・・。
しばらく思考停止しましたが、たまたま手元にあったWindows XP SP2適用ディスクをインストールしてみることにしました。今回インストールしたWindows XPは初代のもの。SP2にすれば、標準で用意されているドライバの種類も増えているので、もしかしたらいくつかはこれでカバーできるかもしれないと考えたのです。
結果は予想通り。イーサネットコントローラーとUSBコントローラーのドライバがSP2を適用することで無事にインストールされました。これでインターネットにつなぐことができ、一安心。
無線LANのネットワークアダプターは、NECのサポートページにあったので、これでOK。
しかし、後のドライバを探すのが大変でした。
ハードディスクの交換はサポート対象外であることを知りつつ、ダメ元でNECのサポートセンターにドライバの提供場所を聞いてみると、ヒントだけ教えてくれました。利用しているチップセットが「Silicon Integrated Systems社製 SiSM760GX / SiS963L」なので、それに適合するドライバを用意すれば動くかもしれないとのこと。
ただし、それよりもメディアオーダーセンターというところで再インストールディスクを有償で提供しているので、それを利用して再インストールすればドライバを探す必要はありませんよと購入を勧められました。
まぁ、そうなんですけどねぇ。最後の手段ですね。
結局、インターネットで必死に探し、Yahoo!の知恵袋などを参考に以下のドライバーを入れることでPCIモデム以外の「?」を解決しました。
ビデオコントローラ(VGA互換)はこちら。Lavie Lの別モデル用ですが、SiS社製 SiSM760GX内蔵グラフィクス搭載機と明記されているので、問題ないはずです。
マルチメディアオーディオコントローラはこちら。AC97です。本当は別のソフトだったようですが、とりあえずこれで動きました。
残りはPCIモデムなんですが・・・見つかりません。
もうダイヤルアップでインターネット接続はしないということで、あきらめていただきました。
使用不可にして終了です。
交換した不調のハードディスクは、外付けケースに入れてUSBでパソコンに接続。
しかし、元Cドライブだったドライブは、エラーで読み込めませんでした。
そこで富士通のPCのデータ復旧で紹介したファイナルデータ8.0を入れたところ、ばっちり読み込み。なんとかデータのサルベージはできそうです。
※なぜかその後、何回か再起動しているうちに普通にドライブとして認識していました。原因は分かりません。
ここまでで半日くらいかかってしまいました。
ドライバがないというのは大変です。
データの復旧は先輩にお任せするとして、最後にメモリの増設を実施。
パソコンの裏側にいかにもっぽい蓋があるので、そのねじを外してみるとビンゴ。メモリがありました。2枚入るようになっており、1枚は挿入済。
空いているスロットに購入した512MBを挿入して完了。あっさりですね。
Windowsを起動して確認したところ、999...MB。約1GBです。
あれ?256MBと伺っていたので、256MB+512MBの768MBになるはずです。
どうやら最初から256MBではなく512MBのメモリが入っていたようです。
これで私の作業は終了です。
終わってみれば、ハードディスクの容量もメモリの容量も2倍になりましたし、不調のディスクをフォーマットすれば外付けディスクとしてさらに利用可能という特典付き。いくばくかの投資とダイヤルアップ接続の切り捨てという選択が必要でしたが、データ消失という最悪の事態を避けることができ、パソコンもパワーアップしたので一件落着?でしょうか。
2009年11月 2日
コメント[6]
はじめまして。
私も友人の「Lavie LL370/F」のHD交換を頼まれ、いろいろ探していて辿り着きました。
買ったHDも偶然「サムスン HM160HC」でしたので、これは楽勝だと思い作業に取りかかったのですが・・・。
サムスンHDがうまくハマらないんです。
スペースにはピッタリ入るのですが、何かに当たってピンが入らない感じなんです。
あまり強くやるとピンが折れそうなので、現在作業が止っております。
何かお知恵を拝借できればと書込みさせていただいた次第です。
Posted by イズイ at 2009年12月 3日 17:19
イズイさんへ
書き込みありがとうございます。
お返事が遅くなり申し訳ありません。
私も実はイズイさんと同じく、ハードディスクの挿入時に、うまく入らなくて手間取りました。
作業の際は、やりやすいようにパソコンをさかさまにしていたのですが、スロットを覗き込んだところ、コネクタが下側に少しだけ寄っているような気がしたので、パソコンを通常どおりに置きなおして、ハードディスクを少し下向き(という表現でよいのかわかりませんが)に押しつつスロットに挿入。
後は気合で押し込んだら入りました。笑
イズイさんもがんばってください!
余談ですが、オリジナルのディスクについていた取り出し用(引っ張り出し用?)のシールがほしいですよね。何とか新しいディスクは入りましたが、今度外す必要があったら裏蓋を外して一部解体しないと取り出せる自信がありません。
Posted by 東田悠悠 at 2009年12月 5日 11:32
妻のノートパソコンが同じNEC Lavie L LL370/FD で、データもかなり入ってきたので、160GBのHDDに交換しようと思っています。
現PCは順調に動作しているので、ACRONIS TRUE IMAGE LE により、一度バックアップして 新しい160GBのHDDに復元しようと思います。この方法は私自身のPC デスクトップFMVで経験済みです。
そこで教えて戴きたいのですが、 LL370/FD はサムスン HM160HCを認識し、160GBの領域を設定することが出来たわけですね。137GBの壁も意識する必要がなかったのですね。
この点が気になっていますので、恐れ入りますが、念のため、教えて下さい。よろしくお願い申し上げます。
Posted by TOK41111 at 2010年10月 1日 03:52
No.1160のTOK41111さんのコメントへの返信
TOK41111さま
コメントありがとうございます。
LL370/FDですが、前にコメントをいただいたイズイさまのブログでは、137GBの壁があったと記載されています。
http://refuge06.blog54.fc2.com/blog-entry-693.html
私の時ですが・・・すみません。急いでいたので記憶が曖昧です。
サムスン HM160HCは認識されていましたが、ハードディスクのパーティションを「C:80GB、D:残り」と設定したのは覚えておりますが、Dドライブの容量が80GBだったのか、57GBだったのかをしっかりと確認していませんでした。
イズイさまのブログから察するに137GBの壁はあるのではないかと思います。
換装頑張ってください!
Posted by 東田悠悠 at 2010年10月 2日 14:43
東田悠悠 様
NEC Lavie L LL370/FD 80GBのHDDを サムスン HM160HC に交換いたしました。128GBしか認識しませんでした。これは137GB の壁があるためでしょうね? 2006年購入です。作業自体は極めて簡単に何の問題も無く交換終了しました。137GBに設定する場面も無く、自動的に容量128GBと認識されました。若干残念な気持ちですが、まあしょうがない事ですね。
Posted by TOK41111 at 2010年10月19日 00:00
No.1168のTOK41111さんのコメントへの返信
ご報告ありがとうございます。
やはり137GBの壁がありましたか。私の作業の際にそこまでしっかりと確認しておらず,期待を持たせてしまい申し訳ありません。
ネットで調べると,色々と頑張ればもしかしたら壁を越えられる可能性があるかもしれないみたいですが,そこにたどり着く手間と時間を考えるとあきらめた方が無難かもしれませんね・・・。
Posted by 東田悠悠 at 2010年10月24日 20:50