ウィッシュ(WISH)の10スピーカー付車で良い音を!その2 スピーカーの特殊な抵抗値

pano02

ウィッシュの10スピーカー付車のスピーカーの仕様は、以下のとおりとなっています。

【ウィッシュ パノラミックライブサウンドシステム(10スピーカー付車)の仕様】

・サイドツィーター(インストルメントパネル上面左右)
→ツィーター 口径:5cm 8Ω
・フロントドアスピーカー(左右フロントドアトリム下部)
→ミッドレンジウーファー 口径:16cm 2Ω
・リアドアスピーカー(左右リアドアトリム下部)
→フルレンジ 口径:16cm 4Ω
・Dピラースピーカー(Dピラー部)
→ツィーター 口径:6.5cm 4Ω
・天井スピーカー(Dピラー部)
→ツィーター 口径:6.5cm 4Ω

サウンドサイエンス社ブログより

これまで、音のなる仕組みについてあまり気にしたことがなかったので、スピーカーの仕様を見てもちんぷんかんぷんでしたが、今回少し勉強してみました。

【参考文献】
⚪︎車載オーディオの基礎知識は、オートバックスのホームページが初心者向けで一番わかりやすかったです。
http://www.autobacs.com/static_html/info/5-2/5-2-8.html

⚪︎アンプとスピーカーの関係、特にインピーダンス値については、スピーカーのメーカーである株式会社デジタルのホームページが、少し専門的でしたが、わかりやすかったです。
http://www.digital.co.jp/signaling/term/term9.html

⚪︎個人の方のホームページのようですが、車載用アンプとスピーカーの選び方について分かりやすい説明があり、こちらも勉強になりました。
http://diycaraudio.bufsiz.jp/index.html

⚪︎アンプとスピーカーの抵抗値(Ω、インピーダンス)をあわせなければならない理由、あわせないとどうなるのかについては、ヤフーの知恵袋も参考になりました。
http://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q1074747195;_ylt=A3xTrPTdLx9TzR0A1QiYPfh7
http://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q11106795806
http://m.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/q1423272099

⚪︎ウィッシュの10スピーカー配線図にコンデンサが組み込まれている理由については、低音カットのためだということが分かりました。
http://kanon5d.web.fc2.com/audio/kouza31.html

音はまず、音源であるナビ(ヘッドユニット)で作り出しますが、音の信号が弱いため、このままでは「抵抗」であるスピーカーを鳴らせるほどのパワー(電力)はありません。そこで、ナビに内蔵されているパワーアンプで音の電圧を上げ、スピーカーを鳴らせるだけのパワー(電力)を作り出します。

一方、前述したとおり、スピーカーは電気抵抗です。家庭用ですと8Ωなどが一般的のようですが、車用のスピーカーは、12Vという車の低い電圧でも十分な音量が出せる(電流を流せる)よう、家庭用より低い値の4Ωとなっていることが一般的であり、車のヘッドユニットに内蔵されているパワーアンプも、1chあたり4Ωより大きい抵抗値のスピーカーにしか対応していないものが大半です。

そのため、2Ωなどのパワーアンプが対応していない低い抵抗値のスピーカーをそのままつなげてしまうと、想定以上の電流が流れすぎて、アンプの異常発熱による故障の危険性があります。

一方で8Ωなどの大きな抵抗のスピーカーをつなげると、電流が流れにくくなるため、パワーが足りず、音量が小さくなる等の影響がでてくる可能性があります。スピーカーが1個だけならボリュームをあげれば解決できそうですが、複数のスピーカーと組み合わせていて、しかも他のスピーカーの抵抗値と異なる場合は、そこのスピーカーだけ音が足りないとか、そんな影響が出そうですね。

ちなみに、スピーカーを並列につなぐと、抵抗値は半分になり、流れる電流は倍になります。4Ωのスピーカーを2個並列に繋ぐと、2Ωになってしまいますので、むやみやたらにスピーカーを増設することも、やってはいけないのですね。(逆に直列につなぐと、4Ωのスピーカー2つなら足し算で8Ωになるので、音が小さくなる等の影響がでるようです。)

前のヴィッツでは、後部の音量が足りないからと、スピーカーを2つずつ並列に繫いでしまっていました。汗

利用しているナビはアルパインのリアビジョンナビ、VIE-X08ですが、マニュアルのどこにも対応しているスピーカーの抵抗値の記載がありません。ネットで検索しても出てきません。ということは、一般的な4Ωなら対応しているということだと思いますが、2Ωまで対応できるのか微妙なところです。ヴィッツでは、音は全てのスピーカーから普通に出ていましたが、多分4Ωのスピーカーだったので、もしかしたら危うくナビを壊すところだった、ということかな…汗

さて、翻ってウィッシュのパノラミックライブサウンドシステム、10スピーカーの仕様を見ると、なんとインパネのツィーターが8Ωで、フロントドアのミッドウーファーが2Ωとなっており、普通じゃありません。

サウンドサイエンス社のブログに掲載されている配線図を見ると、4Ωのリアドアスピーカーと、4ΩのDピラースピーカーが1chの線に、ぱっと見、並列つなぎ。このままだと2Ωになってしまいますが、なんかうまくやっているのでしょう。笑

一方で、フロント側はインパネの8Ωのスピーカーの後ろに専用アンプが繋がっており、その先に2Ωのミッドウーファー、コンデンサを介して低音カット後に4Ωの天井スピーカーという配線になっています。

なんで、インパネのスピーカーは8Ωなのでしょうか。抵抗値を大きくし、他のスピーカーよりあえて音を小さめに出させて、適切な音響効果を得たいということなのかもしれません。

なんで、ミッドウーファーは2Ωなのでしょうか。抵抗値を小さくすることで、わずかな電流の入力値でも高いパワーを与えて中音域をしっかり出させる効果を得たいということなのかもしれません。

ここまで、普通じゃない仕様のスピーカーまで使ってしっかり考えられたシステムなのに、なんで音が軽いような、ぼやけているような感じを受けてしまうのか…残念です。

まぁ、分かったことは、安易に音質改善を求めて市販の車用スピーカー(普通は4Ω)に変えてはいけないということです。

リアドアなどは4Ωなので、変えようと思えば変えられますが、そこだけ変えてしまうのも、パノラミックライブサウンドとして完成しているシステムが崩れてしまいそうなのでやめたほうがよいでしょう。

その1に戻る / その3に続く

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です